Markus Stadterさんのレポート原文http://www.eggyemporium.com/slider/generic-consistency-a-14th-place-worlds-report/

参考記事としてドイツ代表決定戦優勝時の構築レポート記事http://www.eggyemporium.com/slider/yoshis_story_undefeated_nationals_team/

記事内にいくつか世界大会への見立てと実際に遭遇したポケモンに関する記述があるので、参考データとして世界大会全参加者の構築・KP記事へのリンクを貼ります。
http://nuggetbridge.com/articles/teams-2014-pokemon-world-championships/

注:一部、本人や関係者に確認しての意訳が含まれます。

初めに著者のMarkusさん(@13Yoshi37)の紹介を私から

VGC2012シーズン フランス代表決定戦準優勝 世界大会19位
VGC2014シーズン ドイツ代表決定戦優勝   世界大会14位(予選では最終5位となった日本代表のげべぼさんと初戦で対戦していて、その対戦レポートも原文の最終章に記載されています)

私も編集に関わっている新しいVGCポケモンサイトEggy Emporiun http://www.eggyemporium.com/をWCS2012世界大会マスターの部準優勝のWolfe Glickさん(@WolfeyVGC)と共同で設立したプレイヤー 

日本で2014年の初め頃から開催された非公式カロスダブル全国大会バトルロードグロリアの結果の分析記事にも多く関わっていた方です。


多くのプレイヤーがこの構築は私がドイツ代表決定戦で使用した構築を世界大会のメタゲームにフィットするように作り変えてきたのか聞いてきましたが、正直に言うと、この構築は寄せ集めから出来たものです。それはつまり、ドイツ代表決定戦で使用した構築とはかなり違っていて、これは説明するのが難しいのですが、この構築は前のものとは異なる選出・立ち回りを可能にしてくれる構築でした。
ドイツ代表決定戦で使用した構築は主にメガガルーラ+ゲンガーを軸に据えたものでそれ自体はいい構築でしたが、メガクチート軸のものに転換しました。しかし滑稽なことにクチートは多くの場面で選出されることがなかったです。
ドイツ代表決定戦に話を戻すと「ガルーラ ゲンガー ガブリアス ボーマンダ クチート ヒートロトム」という構築で優勝しました。この当時の構築は雨構築に弱いという欠点があったのでメガガルーラの努力値は特防にかなり割いたものになっていました。使用していたガルーラは性格が意地っ張りでH212 A156 B4 D100 S36 (注:この努力値振りは世界大会前までは非公開にされていたものです)という個体でした。予想していたのとは異なり代表決定戦では雨構築はほとんど使用されておらず、対戦する機会はありませんでした。クチートを選出することは殆どなかったのですが、これはゲンガーと組んだメガガルーラが非常に強力で止められることがなかったためです。代表決定戦終了後メガクチートを抜いてギルガルドを入れることをまず考えました。この枠はメガガルーラを使うにあたってドラゴン技を無効あるいは半減できるポケモンである必要がありました。そして、よりメタゲームに適すると考え、ヒートロトムをウォッシュロトムに変更しました。
「ガルーラ ガブリアス ボーマンダ ゲンガー ウォッシュロトム ギルガルド」という新しいパーティとなり、INC Juneやドイツの小さなオンライン大会でテストしてみたところ、悪くはないものでした。しかし、サザンドラの脅威が大きくなっていると感じ、悪タイプ耐性を持つポケモンが一体もおらず、一方で悪弱点のポケモンが二体いるのは問題であると考え、ゴーストタイプポケモンを二体入れた構築は諦めました。これは当時のメタゲームでガルーラの使用率が下がっていたことからも理に適っています。ロトムのフォルムはヒートロトムよりウォッシュロトムの使用率が高くなっていたのも自分がウォッシュロトムに固執する理由付けになっていました。不運にも、Ray RizzoさんやSejun Parkさんが使用したことで多くののプレイヤーが電気タイプのポケモンとしてサンダーを選択するようになっており、一方でガブリアスの使用率は変わっていなかったため、ウォッシュロトムを使用する選択の是非についてはあまり気にしていませんでした。実機でのVGC2014カロスダブルの練習の場となるスペシャルレートは既に終了していたため、showdownで試すか机上論だけで計算するかの二択になっていました。後者の机上論というのは、私が好むもので、showdownは練習の場として適切だとは思っていません。
思考を詰めていくと、悪タイプの技悪の波動に耐性のある悪タイプ、格闘タイプ、フェアリータイプのいずれかのポケモンを採用したい、ということになりました。格闘タイプで気に入っているポケモンはいなかったし、何よりこのパーティに格闘ポケモンを追加すると、ガブリアス・ボーマンダに加えて更にフェアリー弱点のポケモンが増えてしまうことになってしまいます。このタイプ相性の問題は悪タイプのポケモンにした場合でも同様であるため、攻撃でも防御でも優秀なタイプであるフェアリータイプのポケモンを考えてみることにしました。マリルリはポテンシャルが高く良いポケモンだと思いましたが、補完として考えても上手くはまらず、また腹太鼓を良い技だとは思わなかったため、ギルガルドに変更していた枠を再び悪タイプ耐性を持つクチートに戻すことにしました。主流になっていた雨構築を倒せる高打点の軸を考えなければ、という必要性に駆られていましたが、それを使っていたLajoさんやkid swegさんにガルーラ ゲンガー ウォッシュロトム ガブリアスという選出で何度か勝ったので対雨構築に於いて自信を持つようになりました。この対戦の結果は改めて私にガルーラは自分の構築に必須のポケモンであると認識させてくれました。
ただ欠点は実機での対戦ができないためレーティングで数多くの猛者と対戦して使用感をチェックすることが出来ず、微妙な修正を加えていく程度しかできなかったことでした。

注:showdownがガチ対戦の練習の場として不適切である、という考えは悪質なユーザーが多く混じっており、質の高い練習をしたいのであれば信頼の置ける友人とフレンド対戦をするのがベターであるという英語圏コミュニティーの根底の考えの代弁のようなものとのこと。調整の場として利用する人が増えているものの、実機のスペシャルレートに比べると人口が少なく、また高レート帯にいると目立ちすぎたり、観戦モードがあることで構築を隠蔽しておくことがやりにくい面もあるかもしれません。

2014091213551129e.jpg

ウォッシュロトム@オボンの実
特性:浮遊
努力値:H220 B4 C116 D4 S164
実数値:153-X-128-154-128-127
性格:控えめ

技:ハイドロポンプ 10万ボルト 守る 鬼火

このサイトEggy Emporiumの過去の記事で理由を説明したように私は速くて攻撃的なロトムを使用していました。持ち物のオボンの実はタイプ一致の等倍攻撃の確定数をずらすことが目的です。素早さに164もの努力値を割いて実数値127としたのは、耐久に努力値を割いたガルーラ(あるいは一部のメガガルーラさえも)、耐久振りのサンダー、相手のロトム、バンギラスやキリキザンを抜かすためです。この努力値振りで臆病サザンドラの命の珠流星群をかなりの確率で耐え、またガブリアスのドラゴンクローのダメージはHPの50%以下です。特攻の努力値振りはヒートロトム用に考えたものの転用になっています。世界大会ではマッチ戦の14/15の試合で選出し、立ち回りに融通を利かせるのに貢献してくれました。このロトムの構成には満足していて、もう一度この世界大会に出たとしても使うでしょう。

20140912135554830.jpg

ガブリアス@ラムの実
特性:鮫肌
努力値:H4 A252 S252
実数値:184-182-115-X-105-169
性格:陽気

技:地震 ドラゴンクロー 岩雪崩 守る

次はカロスダブルの構築ではいつも使っていたガブリアスの紹介です。耐久調整を施したガブリアスも多く試しましたが、最後には極振りとなりました。これは攻撃の努力値を削っていたために相手のバンギラスを地震で倒せなかった経験が一因です。地震と岩雪崩という二つの範囲技を使うガブリアスは相手へのダメージの蓄積が重要なため攻撃を最大にする必要があると思います。世界大会にライボルトはいないと考えていたので、相手のめざめるパワー氷を耐える調整は見送りました。
しかし世界大会シニアの部の結果を見ると、耐久調整を施して命の珠を持たせた身代わりガブリアスを使用していたNikolai Zielinskiさんが優勝しました。このガブリアスは火力と耐久を両立しつつ鬼火やキノコの胞子などの変化技を回避できるメリットがあります。
ガブリアスは世界大会の全試合で選出し、いつも最低限以上の仕事はしてくれました。

2014091213555532c.jpg

クチート@クチートナイト
特性:威嚇→力持ち
努力値:H236 A132 B60 D52 S28
実数値:155-134-113-X-82-74 (155-156-153-X-122-74)
性格:意地っ張り

技:アイアンヘッド じゃれつく 不意打ち 守る

メガクチートが最強のメガシンカポケモンだと思います。メガシンカのないVGC2013でWolfeさんと何とかクチートを活躍させようと考えていたのに今はメジャーなポケモンとなっているのは滑稽なことです。
威嚇→力持ちという特性、鋼フェアリーという複合タイプ、耐久、先制技の不意打ちは素晴らしいものです。このクチートの努力値振りが効率的ではないのは認識していますが、攻撃が一段階下がったファイアローの鉢巻フレアドライブ耐え(132-156ダメージで93.7%耐える)と控えめサザンドラの大文字耐え(同じく132-156ダメージで93.7%耐える)を両立したかったのです。
このクチートはまた攻撃が一段階下がったガブリアスの地震ダブルダメージが66-80で二発耐える確率が同じく93.7%です。
この三種類の攻撃に対して耐久を調整したクチートを殆どの試合で選出し、選出しなかったのは雨構築を使用していた37TimoK1さんとの試合だけでした。結果的にクチートを13/15の試合で選出したことになります。つまり「世界大会でガルーラ構築を使用した中で一番成績の良いプレイヤーである」という称号は本当の意味では私には不適切です。初手の選出では出さずに適切なタイミングで裏から投げる使い方をしていました。クチートとガブリアスという組み合わせは、クチートの脅威となるヒートロトムやメガリザードンYをガブリアスが上から攻撃でき、ガブリアスの脅威となる相手のドラゴンはクチートで無効化でき、サーナイトのようなフェアリーは鋼タイプで弱点を突けることで攻撃面でも防御面でも優秀な組み合わせと言えます。

注:異なる三種類の攻撃を同じ確率で耐える特殊な耐久調整、ということで何か特別な計算ツールが海外コミュニティーに存在するのか確認してみましたが、特にそのようなものは存在せず、Markusさんが自力で計算していたようです。

20140912135557dca.jpg

ボーマンダ@拘りスカーフ
特性:威嚇
努力値:H36 B68 C236 D4 S164
実数値:175-139-109-176-101-141
性格:控えめ

技:流星群 龍の波動 大文字 ストーンエッジ

スカーフボーマンダというポケモンはこの構築では対処が面倒になっているメガルカリオやメガライボルト、メガギャラドスといった他の素早さの高いポケモンへの打点として必要でした。HPは実数値175で16n-1として砂嵐スリップダメージ最小化。防御の努力値68は威嚇で攻撃が一段階下がった意地っ張りマンムーの命の珠氷の礫を15/16で耐えるようにしたもの。素早さはスカーフドーブル抜き抜き。大文字はメガルカリオを一撃で、ストーンエッジはメガリザードンYを一撃で倒す技。ウォッシュロトム、ボーマンダ、ガブリアス、クチートの四体はメインの選出であり、お互いの相性補完が良く威嚇を出し入れしながら有利な状況に繋げられます。後述するゲンガーはマッチ戦一戦目でこの四体の軸を打倒する術があるかどうか様子見する程度に選出したくらいです。ボーマンダは威嚇で相手の物理打点を緩衝しよく働いてくれました。8/15の試合で選出しました。

20140912135558359.jpg

ゲンガー@気合の襷
特性:浮遊
努力値:H4 C252 S252
実数値:136-X-80-182-95-178
性格:臆病

技:シャドーボール 鬼火 ヘドロ爆弾 守る

ゲンガーは思ったほど活躍しませんでしたが、これにはいくつか理由があります。実際に多かったように世界大会でゴチルゼルと対戦することを想定して特性影踏みから逃れられるゴーストタイプのポケモンは重要だと考えていました。相手のガルーラを黙らせることができる点も評価が高いです。挑発ではなくヘドロ爆弾を採用したのは、メガガルーラをサポートする役割よりも攻撃技で相手を削ってクチートやガブリアスやロトムで仕留める手助けをする役割をゲンガーに求めたからです。ヘドロ爆弾は雨構築と対戦した際にルンパッパへの打点となる意味でも必須でした。この構築が苦手とするマリルリやサーナイトの弱点も突けます。弱点を突かない場合でもヘドロ爆弾はボーマンダやロトムやサンダーへの打点として使いました。ヘドロ爆弾採用によって面倒な相手であるモロバレルを挑発で封じ込めることができなくなっていましたが、実際
に世界大会でモロバレルと当たった試合の成績は6/7で勝ちと特に問題ありませんでした。先程名前を挙げていたシニアチャンピオンのNicolai Zelinskiさんは耐久を上げ防塵ゴーグルを持たせてトリックルームを使用するゲンガーを採用していましたが、この型のゲンガーは試してみたいと思いながら、結局時間がなくてできなかったものでした。ゲンガーを選出したのは相手がゲンガーに弱い構築であったり、先述したメイン選出が相手をしにくいモロバレルやナットレイ入り構築と対戦する場合でした。8/15の試合で選出。

201409121356000a1.jpg

ガルーラ@ガルーラナイト
特性:肝っ玉→親子愛
努力値:H212 A132 B4 D100 S60
実数値:207-145-101-X-113-118 (207-178-121-X-133-128)
性格:意地っ張り

技:守る グロウパンチ 恩返し 不意打ち

最後のボスにして、全ルールで最強のポケモン。率直に言えばそうは全く思っていません。メガガルーラそれ自体の能力は非常に強力ですが、上手く対処すれば怖いことはありません。クチートやガブリアス、ゲンガーに、火傷状態になればロトム、威嚇を入れてくるボーマンダにも負けます。皆がそうであるように相手のメガガルーラに弱くならないように構築を考えています。
世界大会前に隠していたドイツ代表決定戦優勝時の努力値を公開し、ようやくその調整理由について話す機会を得ました。とは言ってもガルーラは2/15の試合でしか選出しなかったのですが。。

この努力値振りによって臆病メガルカリオの波動弾、メガリザードンYの晴れ下オーバーヒート耐え。Rayさんと同じ型のヒートロトムのオーバーヒートと臆病ボーマンダの流星群の集中も耐えることができます。(これはドイツ代表決定戦のベスト16の試合で実際に起きたことです) HPの実数値207というのは固定ダメージの最小化のためで、素早さは自分のロトムを抜くようにしています。攻撃に割く努力値が少なくなっていますが、この数値は性格陽気で252の努力値を振ったものと同じくらいです。
素早さに目を移しましょう。素早さ調整では相手より速くするか遅くするか(あるいは同じにするか)の二択がありますが、調整先をよく考えないとその努力値が無駄になることがあります。

ここで私がドイツ代表決定戦で使用したガルーラと一般的な陽気ASガルーラのステータスを比較してみましょう。
207-181-121-X-133-125
181-177-120-X-120-167

42の素早さ実数値と引き換えに各ステータスが上がり、計44上回っています。カロスダブルでよく使用されるポケモンの素早さ表を確認してみると、ドーブル、耐久に振ったメガリザードンY、似たようなメガガルーラを除き125から167の素早さの間にはあまり気になるポケモンはいません。相手のドーブルを処理する方法は他にいくつかあります。陽気ASガルーラが悪いと言っているわけではありませんが、それがいつもどの構築に於いても理想的なものというわけではない、と提示した形です。

一部著者及び関係者に確認中で編集中の部分があります。
誤字脱字明らかな誤訳などあれば御指摘下さい。

なお、もう一人のEggy Emporium創設者のWolfe Glickさんの世界大会レポート・構築記事は現在原文が完成しており、細かいミスの修正・校正をしている段階で間もなくEggy Emoriumで公開される予定です。

関連記事
スポンサーサイト
いつも御訪問ありがとうございます (*´▽`*)ノ゛☆ありがと☆
にほんブログ村 ゲームブログへ 
TrackBackURL
→http://poketaroimo.blog.fc2.com/tb.php/266-27be89fc