世界大会9位でEggy Emporium共同設立者のWolfeさん(@WolfeyVGC)の構築・レポート原文http://www.eggyemporium.com/slider/worlds-2014-9th-place-report/

参考として今年のWolfeさんの別の構築記事
http://poketaroimo.blog.fc2.com/blog-entry-238.html
世界大会の構築・KP記事
http://nuggetbridge.com/articles/teams-2014-pokemon-world-championships/

注:今年のアメリカ全国大会で使用した構築に関する記事はWolfeさんは公開していません。
注:翻訳には一部Wolfeさん本人に確認しての意訳や省略が含まれます。

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・構築と世界大会への準備

注:Wolfe Glickさんは過去にアメリカ全国大会優勝、WCS2012世界大会2位といった素晴らしい成績を残しているため自身への期待値が高く、今年のCPシステムで世界大会代表権を勝ち取ることができなかった自分への苛立ちがこの文章の背景にあると思われます。

アメリカ全国大会は6-3という成績に終わりすっかり意気消沈し、ポケモンをやめようという気分にさえなっていました。最高の構築ができたと思っていたので7-2という成績だったとしてもがっかりしていたでしょう。
アメリカ全国大会の翌日から友人達とヨーロッパに旅行に行っていましたが、これにより三週間ポケモンの練習が出来なくなったため、LCQを勝ち抜くことは困難だろうと、期待は少なくなっていました。

一週間ポケモンのことを考えるのを完全にやめていたところ、諦めていても事態は何も好転しないし、LCQを勝ち抜くことに集中しようという気持ちになりました。やる気も戻ってきたので、これまで何度も本当に助けてくれた親友のRay Rizzoさん(@RayRizzoVGC)にアドバイスを求めるべく、彼に多くの文章を送りつけましたが、ヤミラミ+メガヘルガーのようなふざけた組み合わせもあり、時に無視されることもありました。
当初、Rayさんが非常に強固な組み合わせだと言っていた、「サザンドラ サンダー クチート」の三体を軸に考え始めましたが、残りのポケモンを上手く埋めることができませんでした。親友のMarkusさん(@13Yoshi37)はハリテヤマを薦めてくれましたが、ちょっと合わない気がしました。(ひょっとしたらこれは間違いだったのかもしれません)構築を先に進めることができないのでイライラし、そこで、Premier Challengeで勝利して時に使用していた滅び構築ならばアメリカ全国大会で使用した構築と同じくらいは勝てるだろうと考え、さらに当時使用していたガルーラの枠をクチートに変更すれば、より相手にとって脅威となるだろうと考えました。
Premier Challengeで使用していた元の構築は「ボーマンダ カエンジシ ガルーラ ゴチルゼル ニョロトノ ルンパッパ」というものでしたが、これを「サザンドラ ヒートロトム クチート ゴチルゼル ニョロトノ ルンパッパ」に変更しました。

この構築を試したところ、ハバンの実を持たせた控えめサザンドラもヒートロトムも命の珠ルンパッパも良くないと思いました。いくつかポケモンの型を変更していましたが、「ヒートロトムではなくバークアウトを採用したズルズキンを使ってみてはどうか」というMarkusさんのアドバイスが非常に役立ちました。過去に使用してきたズルズキンはあまり輝いていませんでしたが、ゴチルゼルと組ませることで非常に強力になりました。

この変更後、PokemonShowdownで主に練習しました。(PokemonShowdownはPokemon Onlineより遥かに劣化しているので戻ることはできないのでしょうか?)負けた時は自分自身のプレイングミスではなく構築の欠陥のせいにしていました。(勿論これは間違ってます)
負けが込んでイライラしてきたので、先述した「サンダー サザンドラ 鋼(クチート)」の軸に戻したところ、本格的に連敗し始めました。何をしても負けます。1600あったELOレーティングが一日で1400になりました。サンダー軸で非常に負けまくったので、ズルズキン入りゴチルゼル構築にまた戻しました。さらに負け続けましたが、滅び構築の6枠目のポケモンはズルズキンとすることで確定しました。

ズルズキンを入れること自体は効果てきめんでした。DillonさんやMarkusさんのアドバイスを受けて努力値配分を改善したものの、それ以外は大きな変更はしませんでした。

Battle SpotのダブルレーティングとPokemonShowdownで非常に練習しました。ダブルレーティングの方は、この構築の大きな壁となるハイパーボイスを使うニンフィアやメガサーナイトがいる点で大きくメタゲームが異なっていますが、ともかくここでアメリカ2位と世界10位以内を達成。showdownのVGC2014では1位を達成。しかし、このどちらの環境も精確な強さの指標ではないと思っています。世界大会一週間前にMarkusさんが訪ねてきて、「実戦練習を多く積み過ぎるのは良くない」というアドバイスをしてくれたので、練習をやめました。(この彼の判断はおそらく正しかったでしょう) LCQを勝ち抜いた場合に備えて別の構築を作ろうと考えていましたが、「それはLCQを勝ち抜けなかった場合に非常に残念な気持ちになるし、LCQを勝ち抜いて世界大会本戦に出られたとしても、本戦の成績が悪いと、LCQと違う構築を使った自分を責める気持ちになるだろうから、一貫して同じ構築を使い続けよう」とMarkusさんは説きました。これらの理念を念頭に置いて、MarkusさんとMax(これは私Wolfeの弟です)と共にあまり実戦練習はせずに、しかし机上であれこれ模索しながら世界大会に備えました。私はワシントンDCから20-30分の所に住んでいるので、ホームアドバンテージがあります。実家で寝起きし、食事を取り、世界大会会場に毎日向かうことが出来たのは非常に大きかったです。

後から考えると世界大会本戦に向けて違う構築を用意していれば、と思う面はありますが一貫して同じ構築を使い続けることにした決断に後悔はしていません。LCQ勝ち抜き後、ポケモン公式サイトから使用構築が本戦前に公開されてしまったのは、大きなディスアドバンテージでしたが、公開しないでくれれば良かったのに、と思いました。

注:今年は、英語圏向けポケモン公式サイトで各国の代表決定戦、LCQ勝ち抜けの各カテゴリー4人、世界大会上位4人の構築が公開されるようになりました。代表決定戦から世界大会までは期間があり、また世界大会本戦ベスト4以上のプレイヤーの構築の公開は準決勝開始前後のため、そこまで大きな影響はないのですが、LCQを勝ち抜いたプレイヤーは本戦前に構築を公開されてしまいます。ルール上はLCQから世界大会本戦前に登録構築の変更はできますが、Wolfeさんの記述にあるように複数の構築を高いレベルで操るのは困難であるため、同じ構築を使う方がほとんどのようです。
ただし、このLCQ勝ち抜き者のディスアドバンテージがあるにも関わらず、ジュニアの部ではヤマモト コウタ選手は優勝しました。

http://www.pokemon.com/us/play-pokemon/worlds/2014/teams/lastchance/
Team Details

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ニョロトノ@食べ残し
特性:雨降らし
努力値:H220 B172 C4 D92 S20
実数値:193-X-117-111-145-93
性格:穏やか

技:熱湯 守る アンコール 滅びの歌

長い間使っていた型のニョロトノであり、たまたま気に入ったポケモンです。このHBの努力値振りで、食べ残しによる回復を挟んで攻撃が一段階下がった拘り鉢巻を持ったファイアローのブレイブバードを二発耐えることができます。素早さは、無振りやそれに近い同族を抜かす程度のもの。残りの努力値を特防へ。
HPの努力値は220とすることで実数値が193 (16n+1) となり食べ残しによる回復効率が良くなります。
ニョロトノは練習とは違う使い方を実際の大会でしました。LCQに於いては、結局威嚇要員(クチート、ズルズキン)と共に選出し、その素晴らしい耐久と熱湯による火傷で相手に負担をかけていく使い方をしました。期待し過ぎて負けた試合もありましたが、火傷の追加効果がある熱湯は素晴らしい技です。
残りの技構成も単純なものです。御存知のように2012年にはソーナンスとムウマージを採用した滅び構築を使用していましたが、その当時から滅び構築は使っていたので、LCQのような大舞台で使うには多く経験を積んでいる構築を使う方が良いと考えました。滅びの歌を使用した試合がいくつかありましたが、これを使うのはBO3のマッチ戦よりもBO1の試合の方が良かったかもしれないと思いました。トリックルームを張ってメガクチートを展開するのと滅びの歌からターン稼ぎするのはちょっと相反するものになっています。
アンコールは厄介な相手であるギルガルドの対処に役立ちます。身代わりやキングシールドで技を固定させたり。守るは食べ残しと相性のいい技です。

勿論、ニョロトノ採用の最大の理由は特性雨降らしによる天候変化です。ルンパッパの特性すいすい発動とより重要な相手のメガリザードンYの脅威を排除すること。ニョロトノとゴチルゼルの組み合わせはメガシンカを終えた相手のメガリザードンYに対して後ろからニョロトノを投げることで、逃さず倒して二度目の天候変化を許さない組み合わせです。
この組み合わせは相手のリザードンと対する時以外でもニョロトノのアンコールで相手の猫騙しや守るを固定することで、実質2対1の状況を作り出すことができ、その間に癒しの波動や滅びの歌、あるいは単にフリーになっている相手の残り一体に集中攻撃をかけるなど(この状況では相手はアンコールを警戒して守るが使いにくい)有利な状況を作ることができます。

天候を確実に取りに行くため、あるいはトリックルーム展開のためにニョロトノの素早さを最遅にすることは考えなかったのか、という意見がありますが、個人的には相手のバンギラスの素早さを判定することが重要でしたし(相手のバンギラスが遅い場合はトリックルームを張る際に注意)、ギルガルドやクチートより速いことも重要でした。

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ルンパッパ@突撃チョッキ
特性:すいすい
努力値:H108 B148 C124 D12 S116
実数値:169-81-109-138-122-105
性格:控えめ

技:熱湯 冷凍ビーム ギガドレイン 猫騙し

ルンパッパはあまり使いませんでしたが、選出した時は良い仕事をしてくれました。ルンパッパを選出する時は必ずニョロトノを選出しなければならない、といった考えはなく、二体のポケモンを分けて考えていました。ルンパッパは猫騙しによってゴチルゼルの癒しの波動や二体の威嚇要員、影踏みなどのサイクルを上手く回す補助をしてくれました。水技としてハイドロポンプではなく熱湯を採用したのは、技外しの防止、またルンパッパの努力値を耐久寄りにしたので一撃で倒す火力よりも確実に相手を削る役割を求めたからです。特防を上げる持ち物である突撃チョッキを持たせたのは、オボンの実が他にとられていたから、ということもありますが、これは威嚇要員と熱湯使いが二体いることで物理耐久面は補助できていること、ゴチルゼルの癒しの波動と相性が良いことからも説明できます。この努力値振りによって雨下でスカーフドーブルを抜き、また冷凍ビームでガブリアスを大抵倒せます。サザンドラの眼鏡流星群を余裕をもって耐え、その後メガガルーラの恩返しをかなりの確率で耐えるようにしたので、HPと防御に多くの努力値を割いた形となりました。ルンパッパが実際に試合でどのような動きをしていたかは、LCQで本戦出場を賭けてベスト4決定でヤマモト ショウタさん(@yamacya_hiromi)と戦った下記の動画から確認できます。



モロバレルに対抗するため、この構築には草タイプのポケモンが必要だったので、ルンパッパが適役でした。勿論、二体目の猫騙し使いという役割もあるのですが。ルンパッパとズルズキンの二体の猫騙し要員がいることで、時に猫騙しのループを使用することさえでき、これは相手の動きを封じるのに効果的でした。ルンパッパというポケモンは中速なので、トリックルーム下では速いポケモンを抜きつつ、非トリックルーム下では遅いポケモンを抜くことが出来、使い勝手が良かったです。実際の所、この構築に於いてはルンパッパとニョロトノの組み合わせは最悪で、世界大会とLCQのメタゲームではシナジーが良くなかったです。

・雨構築に関するメモ書き

雨構築を使ってアメリカ全国大会で好成績を収めたRay Rizzoさんが雨構築を気に入っていないように、多くのプレイヤーが雨構築は典型の構築としては良いものではないと考えているのを私は知っています。私自身もずっと雨構築は評価しておらず、Markusさんと議論を交わしてもそうでした。私の考える雨構築が抱える問題点というのは(ここでいう雨構築はニョロトノ、ルンパッパ軸のものを指していますが)、効率的に機能させるためには、この二体を同時に選出しなければいけない、という点でした。R_Justice(@R_justice)さんの雨構築(http://d.hatena.ne.jp/R_justice/20140509/1399643315)ではルンパッパは雨下すいすいによって上からの冷凍ビームでガブリアスを倒したり、ニョロトノの雨で強化されたタイプ一致の水タイプの攻撃に対して耐性のある相手の水タイプのポケモンへの打点を持つポケモンとして活躍しています。

ニョロトノとルンパッパを単体ではそれぞれ気に入っているのに、同時に選出することに抵抗を感じている理由について考えてみましょう。多くの対戦では、この二体を同時に選出することはありませんでした。ニョロトノが滅びの歌を使いながら後ろから特性影踏みのゴチルゼルを投げる、という使い方をするには、ニョロトノとズルズキンを初手で出し、裏にゴチルゼルとクチートを置く選出が最適だと感じたので、ルンパッパを選出するのは、猫騙しに加えて氷タイプと草タイプの技範囲を求めた、限られた場面のみでした。具体的にはSejunさんの雨パーティ(注:ここではSejunさんが韓国代表決定戦で優勝した際に使用した雨構築のことを指す)と対戦する場合、私のルンパッパの素早さはSejunさんのものより速く、控えめサザンドラの眼鏡流星群を耐える調整が活きるので選出していました。

ニョロトノとルンパッパは同時選出することは殆どなかったものの、それぞれがこの構築で活躍してくれました。どちらも特防とHPが高く、また二体の威嚇要員がいることで長く場に留まり、威嚇や猫騙し、雨降らしを出し入れしながら詰めていくこの構築にフィットしていました。ニョロトノとルンパッパのどちらも熱湯を採用していることで二体のフェアリー弱点のポケモンがいて、一撃で倒すことができない相手のメガクチートに対して負担をかけることができました。この二体は防御面を厚くしているのでゴチルゼルの癒しの波動による回復の恩恵が大きいです。相手はニョロトノが熱湯で物理アタッカーを火傷させられたりアンコールを使われることを嫌ってニョロトノに対して集中攻撃をかけてくることが多かったので、癒しの波動が非常に活躍しました。一方でルンパッパは突撃チョッキのおかげで特殊技主体のパーティに対して脅威となるポケモンで、自身のギガドレインによる回復と癒しの波動による回復で交代の多用による負荷を気にせず、長く場に残ることができました。ゴチルゼルの癒しの波動という技は非常に有用で、倒されそうなポケモンを回復し、劣勢だった試合を巻き返したり、時には時間切れでの勝利判定をもたらしてくれたりと貢献しました。

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ゴチルゼル@オボンの実
特性:影踏み
努力値:H252 B12 D244
実数値:177-X-117-115-177-63
性格:生意気
S個体値0

技:サイコキネシス 癒しの波動 守る トリックルーム

これまで滅び構築を使う際はいつもゴチルゼルを採用してきましたが、この技構成が一番素晴らしいものだと思います。努力値振りは一般的なものと変わらないように見えるでしょうが、これは必要に駆られてこのような振り方になったものです。二体の威嚇要員がいるので物理防御面の努力値が薄いことは気にならず、一方で眼鏡サザンドラの悪の波動を耐えたいのでこのような努力値振りになっています。このゴチルゼルの最も目立つのは癒しの波動という技でしょう。Ray Rizzoさんはこの技を全く評価していませんでしたが、私はメガクチートや滅び構築に最適な技だと認識しています。癒しの波動は私に多くの勝利をもたらしてくれた技で、マヌケな技に見えるかもしれませんが、この技を採用する選択は完璧でした。守るとトリックルームはこの構築では必須の技で、「くすぐる」という技は真剣に採用しようとは考えませんでした。少なくとも私の構築では残り一枠の技としてはサイコキネシスがベターだと考えました。ゴチルゼルは場の掌握に役立つポケモンです。

ゴチルゼルはトリックルーム下でクチートと組んで相手のポケモン二体を素早く処理し、4対2の状況を作りニョロトノの滅びの歌で〆る展開を容易にしてくれました。ゴチルゼルの影踏みにより相手は威嚇要員に交代したり、クチートの技に対して耐性のあるポケモンと交代したりすることができません。ズルズキンと組んだ場合は威嚇とバークアウトで相手を弱体化できます。ズルズキンの挑発によって相手のモロバレルは置物になります。サザンドラと並べた場合は相手のサザンドラやナットレイを逃さず倒せます。(注:後述されているサザンドラの項で確認できますが、世界大会では準速眼鏡サザンドラが多かったので、臆病最速サザンドラを使っていたWolfeさんは先制で倒すことが出来た)
ゴチルゼルは個人的にはサポート役として最高のポケモンです。

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クチート@クチートナイト
特性:威嚇→力持ち
努力値:H252 A132 B60 D60 S4
実数値:157-134-113-X-83-64 (157-156-152-X-123-64) 注:素早さはゴチルゼル+1
性格:意地っ張り
S個体値17

技:じゃれつく アイアンヘッド 守る 不意打ち

メガクチートは世界大会で多く使ったポケモンですが、それには理由があります。私のプレイスタイルの傾向として、ポケモンの交代が多いのでメガシンカ前の耐久種族値の低いメガクチートは扱いにくいポケモンでした。しかし、ゴチルゼルと組ませることでクチートの強さをもっとも効率的に発揮させることができると気付きました。普段私が「シナジー」という言葉を用いるのは、相性補完が良く交代がしやすい組み合わせであったり、一体がもう一体に対する脅威を取り除いてくれるような組み合わせのことを指していますが、ここでいうシナジーとは全く別のものです。
  
前の記述で述べたように、アメリカ全国大会で使用した構築は、読みの負担の大きいものであったため、今回はできるだけ負担を減らせるように組むことを心掛けていました。トリックルーム下でのゴチルゼルとメガクチートの組み合わせは脅威です。クチートの攻撃+ゴチルゼルのサイコキネシスを耐えられるポケモンはほとんどいないので、簡単に開いてのガルーラやロトムを倒せました。ゴチルゼルは攻撃によって直接クチートをサポートするだけではなく、特性影踏みにより相手が特性威嚇のポケモンに交代することを封じることで、間接的にクチートの火力をサポートしています。メガクチート同士の対面になった際は、相手の威嚇によってこちらのクチートの攻撃が一段階下がった場合でも、クチートは相手のクチートに攻撃しつつゴチルゼルは癒しの波動でサポートするという戦法が取れるのが良かったです。

この努力値配分はDillonさんとMarkusさんのアイデアの組み合わせによるものです。ファイアローのフレアドライブを耐え、ガブリアスの攻撃が一段階下がった状態での地震は二発耐える。控えめサザンドラの大文字を耐えますが、眼鏡サザンドラが多くなった状況でこの調整はあまり意味がなかったでしょう。攻撃は一段階下がった状態でもじゃれつくでガブリアスを一撃で倒せる数値を確保。素早さの努力値4というのは、余りをどこに振っても変わらない分を振った、というだけで素早さ実数値64のクチートを作るのに素早さ個体値が18か19の個体が容易できなかったために、こうしただけです。
トリックルーム下でゴチルゼル(63)、クチート(64)の順で行動させたいがためにこうしたのですが、これはウォッシュロトムをオボンの実を発動させることなく倒したり、先にサイコキネシスで身代わりを破壊した後、本体にクチートの攻撃を当てたかったためです。

このクチートの技構成は一般的なものですが、この構築には最適な構成だったと自信を持っています。LCQで対戦したヤマモト ショウタさんのクチートの技構成は「身代わり 炎の牙 じゃれつく (恐らく岩雪崩)」でした。Markusさんは自分の構築のクチートに炎の牙採用を検討していたようですが、じゃれつく+アイアンヘッドの技範囲とかぶる部分があります。(どちらかのタイプ一致技が等倍以上で入ることが多いので炎の牙採用は条件が限られる)
アイアンヘッドは外しの心配がないのが大きいです。じゃれつくを打ちたい場面では思考停止で使ったことは一度もなく、リスクリターンを検討し、ダメージ計算しながら必要以上にじゃれつくを使用しないようにしていました。
不意打ちはトリックルーム下でのファイアローへの打点や削れたポケモンに対してのとどめとして使用しました。不意打ちは優先度+1の技であり、ズルズキンの挑発で変化技を封じることで非常に機能しました。

クチートは強力なポケモンですが、使いこなすには訓練が必要です。一方でメガシンカ前の低種族値で威嚇を出し入れしながら場を上手くコントロールしたいですが、一方でクチートに攻撃させたい時に十分なHPが残っていないといけないため
、扱いに苦労しました。相手が世界大会レベルのプレイヤーとなるとクチートを場に出すタイミングが読まれやすく、細心の注意を払っていました。

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ズルズキン@ラムの実
特性:威嚇
努力値:H236 A148 B108 C12 D4
実数値:170-129-149-67-149-56
性格:生意気
S個体値0

技:猫騙し バークアウト ドレインパンチ 挑発

ズルズキン採用というアドバイスをくれたMArkusさん、努力値配分を考えてくれたDillonさんに感謝します。ゴチルゼルと組ませた時のズルズキンの活躍は素晴らしいものでした。当初、ズルズキンというポケモンの評価は高くありませんでした。冗談でMarkusさんからバークアウトを使うズルズキンとゴチルゼルの組み合わせのことを聞き、特殊技を使うモロバレルやウォッシュロトムやギルガルドの対処に困っていたので試してみたところ、その活躍は予想以上でした。

この努力値配分はこれまでDillonさんが考えたなかで最高のもののひとつだと思います。攻撃はH4メガガルーラを丁度ドレインパンチ二発で倒せる程度のものだったので、これは相手のメガガルーラが陽気AS振りなのか耐久に振ったものなのかの判断に役立ち、マッチ戦のその後の立ち回りを容易にしてくれました。

防御は攻撃が一段階下がったファイアロー@拘り鉢巻 のブレイブバード耐え、また意地っ張りメガガルーラの恩返しを意識した形になっています。性格に生意気を選択したのは、拘り眼鏡サザンドラの流星群を受けることを意識してのものでした。威嚇とバークアウトのおかげでフェアリータイプの攻撃を受けない限り、長く生き延びることができます。

特攻のちょっと変わった数値について説明しなければいけません。C12振りという数値。当初はバークアウトの火力を上げるため、C36振りまで上げることも考えましたが、耐久に振っている努力値を減らしてまで投資する価値はないと判断してやめました。ズルズキンの特攻種族値は45と低いものですが、この数値でRayさんがアメリカ全国大会で使用していたACS振りの無邪気ギルガルドを命の珠反動ダメージとバークアウトのダメージ二回ずつで倒すことが出来、またMarkusさんとの世界大会本戦での試合で役立ちましたが、ゲンガーをバークアウト4発で辛うじて倒せます。S個体値0の生意気ズルズキンを使用することで、相手のギルガルドより遅くなり、耐久種族値が低くなるブレードフォルムを攻撃することができます。

バークアウトは音技なので身代わりを貫通しつつ、相手二体にヒットし、かつ特攻を下げることが出来る面白い技です。ゴチルゼルと組ませることで、相手は威嚇やバークアウトで能力の下がったポケモンを交代することができないので場の支配能力が高いです。鬼火を使ってくるロトムには挑発を使えば完全に封じ込めることが出来ます。

ズルズキンを採用したことで、パーティ全体で見た火力が低くなったことにはちょっとだけ不満がありました。また、威嚇やバークアウトでじわじわ詰めるような構築となったため試合が決着するのに時間がかかり、急所被弾回数が多くなってしまいました。しかし、それでもズルズキンの威嚇やバークアウト、挑発によってクチートを裏から出すタイミングを創出しやすく組めたので満足しています。

ズルズキンについて要約すると、
・ドレインパンチはガルーラ打点となるタイプ一致の回復技
・バークアウトはギルガルド等の特殊アタッカーを弱体化させる技
・挑発はモロバレルや鬼火を使うポケモンやギルガルドの変化技を防ぐ技。また不意打ちを通したり、読みの負担を減らす手助けをする技
・猫騙しは縛り状態の解除や、トリックルーム展開、滅びの歌のサポートをする技
・ラムの実は交代タイミングでモロバレルと対峙したり、ダークホールを使うドーブルに備えてのもの

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サザンドラ@命の珠
特性:浮遊
努力値:H12 B108 C132 D4 S252
実数値:169-X-124-162-111-165
性格:臆病

技:火炎放射 悪の波動 流星群 守る

サザンドラは強力なポケモンですが、選出は一番少なかったです。相手のキリキザンやナットレイ、眼鏡サザンドラを処理するのに使用しました。悪の波動の技枠は最初は挑発で試していましたが、面倒なロトムの処理が遅くなるので悪の波動にしました。大文字ではなく火炎放射を使っているのは技外しのリスクを嫌ったためです。これは滅びの歌以外に処理ルートのないナットレイを確実に倒すためです。ドラゴン技も本当は確実な龍の波動を採用したい気持ちがありましたが、ダメージ計算の結果流星群採用としています。

サザンドラは相手の眼鏡サザンドラを確実に倒すために最速とし、仮に相手がスカーフ持ちだったり、同速負けしたり、流星群を外したりしても裏からゴチルゼルを出して、こちらの有利な場を作る起点にできるように考えました。

特攻の数値は、Markusさんのように耐久にあまり振っていないロトムから控えめ眼鏡流星群耐えロトムがいることを考慮にいれて、耐久の薄いロトムは悪の波動でオボンの実を発動させても次に流星群で倒すことが出来、耐久の厚いロトムは悪の波動でオボンの実が発動せず次の流星群で倒すことが出来る、絶妙な魔法の数字です。

この構築には満足していましたが、内外に問題がありました。世界大会本戦前に公式サイトからポケモンの持ち物、特性、技ありとあらゆる情報が公開されてしまいました。対戦相手全員に私の構築はばれています。種も仕掛けもありません。大会関係者からは本戦前に登録パーティの変更が可能なことを伝えられましたが、別の構築などあるはずもありません。


LCQレポート
ベスト4決定戦 ヤマモト ショウタさん(@yamacya_hiromi)との試合

(画像はやまちゃー君に許可をもらい掲載させていただきました)




彼の構築は私の構築を改良したような形でした。くすぐると挑発を使うゴチルゼル、「身代わり 炎の牙 岩雪崩 じゃれつく」という構成のクチート、地震を使うバンギラス@命の珠、メンタルハーブを持ったモロバレル、拘り眼鏡サザンドラ、そしてヒートロトム。
もっとしっかり試合内容を覚えていればよかったのですが、とにかく非常に競った試合でした。初戦はルンパッパの熱湯で彼のクチートを火傷させ、そして彼はクチートのメガシンカを忘れていた記憶があります。二戦目は彼のサザンドラを上から流星群で倒せる状況にありましたが、特攻が二段階下がったサザンドラを場に残してしまっては相手のクチートにいいように動かれると判断し、サザンドラを生贄にし、相手の特攻が二段階下がったサザンドラをゴチルゼルで交代を封じて癒しの波動で場を整えながら勝利し、世界大会本戦切符を勝ち取りました。

DafloさんとBillaさん、そしてドイツ人プレイヤーが私の応援をしてくれましたが、親友のMarkusさんはポケモンオーケストラのコンサートに出かけてしまいました・・・・
ともかく、応援してくれる人がたくさんいて頑張ることができました。

世界大会レポート
日本チャンピオンTonyさん(@tonykuso69)との試合

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とてもよい構築で苦労しました。剣の舞を使うファイアローとガルーラの組み合わせに手を焼きました。ゴチルゼルで交代を封じつつ威嚇のサイクルを上手く回してガルーラの攻撃を下げて戦いました。第三試合ではトリックルーム下でこちらがゴチルゼルとクチート、TonyさんがA-1のガルーラとA+1のファイアローという状況になり、不意打ち圏内にいたファイアローに対してクチートが不意打ちを選択しましたが守られ、ガルーラは同じく不意打ちを使ってきました。次のターン、ゴチルゼルに飛んでくるであろう不意打ちを守るで防ぎ、ファイアローはクチートにブレイブバードを打って反動ダメージで倒れ、アイアンヘッドでガルーラを処理しました。そこかれは有利な状況となり、2ターントリックルームが残っている状況で癒しの波動でクチートを回復させてサンダーとガブリアスを処理しました。素晴らしい試合でした。また彼とは対戦してみたいです。



おまけ
カロスダブルの滅びパのゴチルゼルとしては最高の型だった、という記述がありますが、個人的に5世代で完璧にゴチルゼルを使いこなしている試合(エネコロロのノーマルスキンをスキルスワップで回しながら相手の攻撃をゴーストタイプで無効化。影踏みにより交代ができない。第六世代XYでは先制技が強化されたり、ゴーストタイプに対しての場に縛る効果のある技や特性が無効になったため、同じような戦法は今は使えません)





今年の世界チャンピオンSejun Parkさんとの試合(2012年の世界大会)



誤字脱字明らかな誤訳などあれば指摘お願いします。内容に関する質問があればWolfeさんに確認しておきます。
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